ネパールヒマラヤ遠征登山の記憶〈3〉ポカラへの旅はまるでドラマ〈後編〉

しばらく観察していて分かったのだが、
どうも、前のクルマが遅かったり
じゃまな人間がいたりすると叫んでいるらしい。

全く意味は分からないが、そのうち、
僕たちメンバー3人もこのオヤジと一緒に
「トレマレ!トレマレ!トレマレ!トレマーッレ!!」
と連呼して、ギャーギャー笑い転げるという
ハイテンションな状態に突入した。

みんな上機嫌で楽しい。

◎まるでロードムービーのようなお約束

そんなこんなで、道程の半分ほどまで来た時、
何だかクルマの調子がおかしい。

お約束のようなエンストだ。

路肩に止めて、ドライバーオヤジが
エンジンルームを覗いていたが、
結局治る見込みはないようだ。

「まだ半分もあるのにどーすんだ?」

僕たちは途方くれて半笑いで
路肩の土手に座り込んだ。

なぜか、隣に男の子が一緒に座っている。

僕たちに興味があるようだ。

よく見ると足首に怪我をしていて血が滲んでいた。

ファーストエイドキットを取り出して
手当をしてやろうと近づいたが、
大丈夫だというような手振りをして、
いきなり自分でその辺の泥を塗り出した。

これで治るから大丈夫という手振りで
にっこり笑う。

マジか、破傷風になるぞと思ったが、
それ以上の治療の無理強いはしなかった。

貧国の子どもの無知さを嘆くよりも
その目の輝きと逞しさが印象に残った。

方やピンチに陥っている僕たちなのだが、
万事のんびりしているこの国のペースに
すでに感化されつつあるのか、
見知らぬ集落の昼下がりに「どーすっかな〜」と、
のんびり考えるメンバー3人と
ドライバーオヤジだった。

前編よりつづく

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